コピーライターって……何?

黒澤晃『これから、絶対、コピーライター



最近、ネット上のお仕事サイト「Lancers」を利用するようになった。そこで驚いたのが、「キャッチコピー」、「ネーミング」などの募集が毎日のように告知されているということだ。
商品を熟知している人が一番上手くできそうに思えるのに、それでもお金をかけて、仕事として発注される。そして、自分にもできそうと皆が思うから、大量の応募が集まる。何だか不可解だ。
そんなわけでキャッチコピーのプロ「コピーライター」について知りたくなり、本書を手に取ってみた。

コピーライターとは何者なのかと言えば、商品についてどのように伝えるか決める人、らしい。それは売り文句を決めるというようなことに限らず、そもそも商品の魅力はどこにあるのか? どういった切り口で伝えるのか? ということを決める仕事でもある。
扱うのが言葉だから誰にでも門戸は開かれているけれど、プロの「コピーライター」の仕事は語彙力や文章力以外のもので成り立っているようだ。

そのことを最も実感させられたのが、「東京新潟物語」の例だ。
今まさに故郷と東京とを行き来している人に届けるべく、上越新幹線の車両内に新潟のお酒の広告を掲示する……というもの。「今はネットが最強なのでは?」くらいに思っていたけれど、その場所でこそ効果を発揮するというものも、確かにあるのだろう。
そして、そういう場所の価値を見つけてコピーを書くというのは、きっと言葉のことだけ考えていたらできないことだ。

他にも色々と例示があるが、「いいコピー」とその理由を知るのはけっこう面白いものだと感じた。ごく短いものなのに、そこに何か「ハッ」とするものがある(それを著者は「発見」、「ハッ見」、「初見」と表現しているが)。

そういうコピーがたくさん載っている「TCCコピー年鑑」、ちょっと読んでみたくなった。見たこともないのだけれど、Amazonで探したら『コピー年鑑2016』が中古で28,839円だった。……。
図書館で探してみよう。

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